2020年8月3日月曜日

Fランク大学を受験計画に組み込む裏技【受験戦略】

 Fランという言葉だけで、読む人間が増える。今の日本に、どれだけこの言葉が浸透しているかを表しているし、Fラン大というキーワードで検索をかけた方の中には、その言葉で差別を受けている方もいるのだろう。非常に嘆かわしいこの世の中である。

 

 私にできることは、受験生を担任した経験から、Fラン大を受験することの意義を伝え、Fランという言葉を差別ではなく、受験区分としての区別と認識を改めてくれる人間を一人でも増やすことだろう。

 というわけで、今回は、受験計画の立て方と、そこに組み込むべき、都合の良いFラン大学、ないし私立大学の候補をご紹介しよう。

 

 受験生の皆様、または、そのご家族様。受験計画は立て始めていらっしゃるだろうか。実は、こういうきき方をすると、「ホテルの予約はとりました!」や「お金は準備してあります」と答える保護者もいなくはない。もちろん、ずれている。

 受験計画と聞いて、聞き覚えのある大学生と、そうではない大学生に別れるのも事実だ。なぜなら、集団によっては、それを行わないことが普通の場合もあるからだ。

 受験戦略の考え方は、以前の私のブログをご参照していただきたい。一方、受験計画の立て方を語るは、初めてなので、心して読んでほしい。

 受験計画は、受験戦略を実現するための手段である。ここでは、例として、「いきたい国立大学があり、それを目指して受験するが、何があっても浪人だけはしたくない。」という戦略を立てることにする。この場合、まずは模擬試験の結果から、国立大に合格できる目があるのかどうかを考える判断する必要があるが、「国公立なら大学を選ばなければB判定が取れ、第一志望はD判定」という設定にしよう。

 さて、まずは受験計画に組み込むべきはなんだろうか。

 そう、センター試験の受験である。もう、高校単位で願書の締め切りがあった後だろう。国公立大を目指す以上、これは、必須である。さらに、手元に出願の手引きがあるはずなので、それは、3月31日まで、ファイリングして大切に保管しておかなければならない。

 次に、国公立大学の受験日を組みこもう。ところで、このとき当然だが、前期と後期どちらの日程も組み込まなくてはいけない。「出願する大学が決まってないのに予定立てるの?」とお思いの方もいるだろう。国公立大学の出願はセンター試験の自己採点の結果を受けて最終判断する。例えば、センター試験を大いにやらかした結果、出願したものの、受験会場に行くことすらできず不合格になる「足切り」になる場合もあるのだ。そうなる大学には出願しないほうがいいだろう。したがって、センター試験の結果から逆算して最終判断となる。今は、その日程を調べ、予定表に(前期)(後期)できれば(中期)と記しておけば良い。

 次に考えるのは、併願する私立大学だ。「うちは国立一本」という方は、この計画の前提とは合わない。「何があっても浪人はしない」方針のためには、私立大学受験は必須である。例えば、どんなに安全圏でも、受験ができなかったら・・・という、現実の最大の不安がある。何があっても、を枕詞にする以上、用心に用心を重ねてしかるべきなのだ。

 さて、どこを受ける?という話だが、一番よくある手法は、センター試験利用入試を受けることだろう。これは、センター試験さえ出願し、受験すれば、その点数でもって、私立大学の合否が判定される、すなわち、個別に受験しなくて良いということだ。(もっとも、センター併用型とかセンタープラス面接とか独自の仕組みも色々あるが)メリットは楽。デメリットは数多くある。まずは、出願日だ。みなさんがいきたがる、いわゆる有名大学のセンター利用入試は、センター試験の前日を出願締め切りにしている。つまり、センター試験を受ける前に、出願しなくてはダメで、センター試験でやらかしても、不合格通知をもらうだけで、安全を稼ぐどころの話ではなくなる。デメリット2つ目は合否判定のタイミングだ。多くの場合、2月の中旬が合格発表になっている。この時期は一体・・・。実は、この時期には多くの私立大学の最初の受験日程への出願が終わっている。一番損をするケースを挙げておこう。

センター利用で〇〇大学へ出願→センター試験が終わり判定はB(センター利用も予備校で判定してくれる。ただし判定Bは現在では当落線上)→慌てて、1月末締め切りの、〇〇大一般入試◻︎◻︎日程へ出願、2月10日くらいに受験→一般日程の合格発表は2月20日だったが、センター利用は2月13日発表。合格してた。→気づくと、本命国立まで2週間を切っている。

 ちなみに、私は、過去、このようにお金の無駄が生じる計画を立てさせたこともある。もちろん、戦略が違うからだが、一方、先の例のように慌てる原因は、安全マージンのことは考えていても、安心マージンのことを考えていないからであるため、「お金をかけて安心を買いましょう」と保険勧誘のような口調で保護者を説得したこともある。趣旨がわかるように後述する。

 

 いずれにせよ、センター利用は必ずしも良いもの、ではない。楽な分、得られるものが少ないのだ。受験攻略のためには、いくつかの要素がある。

一つ目は、学力的要素。二つ目に、精神的要素。三つ目に金銭的要素。

 どうも、受験生は学力、その保護者は金銭に目が行きがちだが、一番大切なのが、試験当日全力を発揮するだけの、あるいは受験の結果にかかわらず大学生活をスタートさせるための、メンタルの管理であるのは、冷静になればわかってくれるはずだ。

 そのための大学受験にオススメしたいのが、「特待生入試制度」だ。いよいよ、私の語りたい、Fラン大の良さが絡んでくる。

 実はそろそろ、出願開始だったり、出願締め切りだったりする。「え?」という反応してくれた方が一人でもいれば、私の目的は達成できた。一部の大学では、10月から12月くらいの間に入試を行う。有名どころでいうと、神奈川大学給費生入試などだろうか。これを例にしていくが、これらの早期実施入試は、特待生入試である。先の神奈川大給費生など、授業料免除どころか、お金をもらいながら大学に通える。こういった入試制度を全国津々浦々あちこちで行なっている。武蔵野大学、国際医療福祉大学、白鴎大学、日本薬科大学・・・などがぱっと思いつくラインだ。こういった大学の一部では、入学金の一部を納入する必要はあるが、残り分の納入は、2月とか3月で構わないこともある。というか、それが売りだ。さらに言えば、こういった入試はまだまだ知名度が低い。それこそ、超有名進学高校や大学受験をしない高校では、教員が知らなくても仕方がない。この制度を採用している大学はほぼ間違いなく、パンフレット請求が無料だから、今すぐ請求するべきだ。

 どうしてこれでFランが出るか?Fラン大(最近は法政大のような有名大もだが)では恥も外聞もなく、国立大学希望者向け入試を行なっている。恐ろしいであろう。もちろん、奨学金付きだ。もちろん、各大学で内容は違うが、例を挙げておこう。

 ❶入試は12月 ❷特待生にランクづけ(4段階)❸特待でなくとも、一般合格がある。❹合格発表はセンター前。 ❺入学金一段階目はセンター終了まで待ってくれる。❻入学金全納は国立前期合格発表後。

至れり尽くせりだろう。ちなみに、こんなものはザラだ。中には、一回受験してくれれば、次以降の受験料が安くなるorタダ。なんてのもある。

 

 「いや、だったらFランである必要もないだろう」というあなた。これはいいものです。だってそうでしょう?Fラン大の最上位にいない人間が、国立に受かるとお思いか。入試を自分の実力チェックに使えるわけです。

 

ちなみにこれに受かっておくと、後が楽である。中途半端な私立大学を受けずに済む。あとは受けたい大学をかたっぱしから受けて、浪人の危険性がなくなった晴れ晴れした気持ちで全力を尽くせるわけだ。よく、受験戦略で言われるのは、一つ目の合格発表の時期に注意、である。例えば、滑り止めのつもりで受けた大学の合格発表が、本命の前日14時から・・・。受験のために取ったホテルの部屋をウロウロする受験生がそうぞうできるだろう。これではうまくいくものもうまくいかない。先に一つ合格することの最大のメリットだ。また、クラス内で合格したことが広まってくると、周囲が浮き足立つ。その中で平然としながら、第一志望に向かって進むが良い。強者の風格が出てくる。ちなみに、同じように先に合格が決まった人間であっても、AOや推薦は落ち着き払うことも周りに合格を報告することもNGだ。やっかまれる上に、いくらやっても強者の風格は出ない。

 

 わたしは、このセンター前入試にこそ、受験生の90%ほどの攻略ヒントが隠されている気がしてならない。受験戦略を立てる時期だからこそ、悪く広まったFラン大という言葉をうまく使って、真の栄光を掴む役に立ててほしいものだ。

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